2012年11月16日金曜日

Φは壊れたね Path connected φ broke

こんにちは、なんちゃって文化人です♪

【送料無料】φは壊れたね [ 森博嗣 ]
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価格:600円(税込、送料込)


森博嗣さん著のGシリーズ第一作目、「Φは壊れたね」です。

本当はこれの前に、Vシリーズや、四季シリーズがあるのですが、S&Mシリーズの流れを汲むこのシリーズから先に読むことにしました。

と、言いましても、S&Mシリーズで出てきた犀川助教授はほとんど作中には現れず、改めて森博嗣作品が好きになった結果の原因のひとつは、「犀川助教授」の作り出す空気感と申しましょうか、その存在だったのだと改めて感じました。

森博嗣さんといえば、「密室殺人」というもうひとつのキーワードは相変わらず健在で、今回も密室でした。

解釈というのは、それぞれの立場から見た認識の違いでもあるかと思いますが、今回の密室はまさにそんな感じの印象を受けました。
何をどう認識し、どう解釈するかは、それぞれの立場や人によって様々で、一度ついた先入観はなかなか取れるものではありません。そこを上手くつけば、事実を捻じ曲げることも可能だと感じることができるものでした。

そして、相変わらず殺人は動機があって初めて成立する、という前提をあざ笑うかのように、何故この殺人は起こったのか?というWhy?が抜けていることは当たり前のようで、
今回は更にHow?(どのように)という答えすら、とある登場人物の認識、意識付けから来る解釈で終わらせるという、スパッと明瞭解決で気持ちよく終わりたい人が読んだら、なんか不完全燃焼と感じる終わり方でした。

が、この物語の締め方こそ、この作品にはもっともふさわしいと感じる、そんな作品です。

2012年11月10日土曜日

キマイラの新しい城

こんにちは、なんちゃって文化人です♪



殊能将之さん著の作品を久しぶりに読みました。
なかなか古本屋さんに出回らない作品なので、入手するのに苦労しました。

今回も主人公は石動戯作とアントニオ、
正にシャーロックホームズとワトソンのような、ダメな探偵と優秀な助手のコンビ。

今回も、前回読んだ黒い仏と同じく、
普通のミステリーではなく、
時代描写の緻密さや、レトリックにも富んでいて、
正にミステリーの枠を超えたエンターテイメント作品になっていました。

真実は小説よりも奇なり、とはよくいいますが、
シンプルすぎる真実が、勘違いや、思い込みやいろいろな理由によって
複雑な物語となっているからこそ、楽しめるし、最後ですっきり?終われる作品です。