2012年9月29日土曜日

数奇にして模型 NUMERICAL MODELS

こんにちは、なんちゃって文化人です♪


【送料無料】数奇にして模型 [ 森博嗣 ]
【送料無料】数奇にして模型 [ 森博嗣 ]
価格:990円(税込、送料込)

今回は、モデラを取り巻く物語。

今回の物語のなんちゃって文化人的キーは、
”常識や当たり前、価値観、思考は人それぞれまったく違う”
ということ。

「変わっていると言われるけど、そういう人たちは必ず自分より変わっている」
作中で出てくるこの一言に、今回の物語は集約されていたような気がします。

今回は、芸術家が多く登場したせいか、それとも意図的であったのか、
思考の観点も芸術的な部分が多く、やや難解な印象ですが、
心地よいほどその思考を体感できた作品でした。

さて、今回は3つほど名言を紹介したいと思います。

・決して他人の不幸を無視するわけではない。ただ、全ては誰かから搾取することによって得られる幸せなのだ。どこかで誰かが不幸になっているのである。どこに「不謹慎」の境があるのだろう。
社会のため、正義のためと言い訳するのは悪いことではないが、本心からそれを信じているなら明らかに偽善だ。もし本当にそうなら、警察も、政治かも全てはボランティアで成り立つはずである。

→長々と書きましたが、全ての幸せが誰かの不幸から成り立っている、という部分が衝撃的でした。確かにそのとおりです。

・相手にどう呼ばれるか、ということも、本人の機能、すなわちデザインである

→なんちゃって文化人も、いろんな人からいろんな呼ばれ方をします。それはこちらからお願いしたわけではなく、相手が自分に抱いているデザインから来るものである、と考えると非常にしっくりくる気がします。

・なるべく統一された思考に身を任せたい欲求が人間にはある

→常識という多数派にいたいと感じることと同意ですね。自分の価値観を大切にしようと考えているからこそ、この言葉は逆の意味でしっくり来ました。